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BOD/COD Cr比率

BODCOD Crの比率(BOD/CODCrの数値)を見ることで、排水や化学物質の、活性汚泥による生分解性を簡便に推測できる。


一般的に、BOD/COD Cr比率が0.4を超えていれば、その排水や化学物質は、生分解性が高い(易分解性)と推測出来る。例として、易分解性であるメタノール、グルコースのBOD/COD Crは、それぞれ、0.6程度、0.5程度である。

なお、生分解性が相当高い物質でも、BOD/COD Crが0.8を超えることは稀である。これは、BOD測定時には、有機物は一旦菌体に変換され、その結果、有機物が100%酸化されることはないからである。


化学物質の化学式から計算したTOD(全酸素消費量)による、BOD/TOD比率でもBOD/COD Cr比率と同等の傾向となる。


ただし、BOD/COD Cr比率では、馴養により生物処理が出来るようになる可能性が分からない。

例えば、DMSO(ジメチルスルホキシド)のBOD/CODCr比率は0.1以下となり、難分解性と判断される。しかし、実際には活性汚泥による生物処理が可能である。これは、BOD測定に使用する種汚泥がDMSOに馴養されていないため、BODが過小評価されるためである。


一方、難分解性成分を少量含む排水では、BOD/COD Cr比率が高くても、生物処理後のCODMnは高くなることが多い。難分解成分以外の易分解成分だけで、BOD値は高く測定されることがあるためである。


馴養や、難分解成分の影響も考慮した生分解性の詳細な検討には、「長期間のBOD分析」「分解度試験」「連続試験」が有効である。


【参考】

ドリコの請負試験(分解度試験、連続試験)紹介ページ →請負試験

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